エスペラントとグローバル化

−民際語とは何か−

Esperanto kaj tutmondig^o
- Kio do estas transnacia lingvo? -

著者:タニヒロユキ
新書判,171ページ
本体価格:900円
発行:日本エスペラント図書刊行会
(関西エスペラント連盟図書部)
ISBN:4-930785-50-2 C1087

 

 エスペラントが簡単で便利な言語であることは、それだけで価値があります。しかし、私にとってエスペラントは、今もやはり、小学生のときに読んだザメンホフ伝の感動であり、人類を分断する幾千年の壁をくずして、聖なるハーモニーを約束する平和の戦士の言葉なのです。
 だとするなら、民際語は人類の解放にどのようにかかわることができるのでしょうか。エスペラントが民際語であることは、グローバル化が進行するこれからの世界で、どんな意味をもつのでしょうか。


 それを考える出発点は「国際語」と「民際語」の区別でした。そして、ザメンホフとランティの思想がありました。20世紀末に現れた言語権思想も、話題になった英語公用語論も無関係ではなく、すべてがグローバル化の文脈の中で「民際」という思想と絡み合って、エスペラントが聖なるハーモニーの言語であるという意味が、今少し明らかになったように思います。(著者「まえがき」より)

<目次>

第1部
第1章 国際と民際.
第2章 言語権.
第3章 英語公用語論
第4章 ザメンホフとランティ

第2部
第1章 グローバル化と民際語.
第2章 民衆と人民
第3章 個人的言語権と言語選択権.
第4章 国際英語主義とグローバル化
第5章 民際的グローバル市民社会
第6章 エトノスとグローバル化
第7章 民際語と積極的中立主義